日本には教える責任がある
アルフレッド・バリッツアー、エブラハム・クーパー

オーランド・センチネル』 2010年12月3日

アメリカ運輸省連邦鉄道管理部副部長のKaren Rae氏は、最近オーランドで、高速鉄道プロジェクトへの入札に関心を示している数社と会談した。

参加したのは、ドイツのシーメンス社、カナダのボンバルディア社、そして中国の高速鉄道会社などである。数億ドルの予算規模となるそのプロジェクトは、タンパとオーランドを結び、時速168マイルの列車が走るルートはその後マイアミまで通じることになる。「これは革命の始まりです。あなた方がそれを起こすのです。」と彼女は集まった企業の指導者たちに語った。

しかしフロリダ州民には、未来のインフラ作りに出費させられる前に、高利益の契約を得ようとする外国企業が過去の残虐行為を認めるよう求める、法的・道義的権利がある。

時の流れは、全ての傷を癒すものではない。第二次大終結から65年が経ち、私たちは、歴史が物語を語りはするものの、それが自動的に正義をもたらすものでないことを、改めて考えさせられる。ナチスの絶滅収容所やバターン死の行進、アメリカ人捕虜、そして日本帝国によって苦難を受けた他の人々に至るまで、第二次大戦時に人類に加えられた残虐行為の規模と範囲は、私たちの理解をはるかに超えるものだ。

そして、第二次大戦時の蛮行とフロリダで提案されている高速鉄道プロジェクトには、直接的関係がある。入札候補会社の一つであり、アウシュビッツまで輸送したユダヤ人一人一人に対してナチスから支払いを受けていたフランスの高速鉄道会社 SNCFは、ホロコースト生還者やサイモン・ヴィーゼンタール・センターなどの呼びかけに応じて、その暗い過去と向き合うためにさらなる努力をする、と公に宣言したところである。

一方アメリカ人は、太平洋戦線で起こった残虐行為に関してほとんど知らないかもしれないが、日本帝国軍による蛮行は、感情的に避けたい問題として未だに残ったままである。日本が自国の若い世代にこれらの酷い時代に関してしっかりと教育していないため、、アジアの多くの国は、民主国日本が前身である日本帝国の過ちをなかなか全部認めようとしないことに、憂慮を表明している。

日本はつい最近、韓国の人々に対して、彼らを植民地化し市民を抑圧したことに対して謝罪するという、思い切った行動を取ったが、生存する被害者との問題は未解決のままだ。

日本の東海旅客鉄道会社(JR東海)が率いる、三菱や住友など11社からなる企業団は、第二次大戦中のアメリカ人捕虜・連合軍捕虜の虐待を認めるべきである。

先ごろカリフォルニア州議会は“ホロコースト生還者責任法案”(AB 619)を通過させた。アーノルド・シュワルツェネッガー州知事はその法案に署名しなかったが、この法案は、ヨーロッパと日本の企業が私たちを将来に向けて急がせる前に、過去の問題に取り組む必要があるという、明快な超党派の呼びかけとなった。高利益の新幹線事業に参加しようとする日本企業団の指導者たちは、二つのことをする必要がある。

先ず、彼らは生存する元捕虜たちと会い、彼らを通して彼らの仲間が流した血と涙のために謝るべきである。

第二に、日本企業は、第二次大戦中に2万7千人のアメリカ人捕虜を輸送し、あちこちの強制労働収容所で酷使し、1千人を超すアメリカ人兵を、苛酷な労働環境と強制労働で死に至らしめた歴史を、外部の独立した歴史家に詳述させるべきである。

第二次大戦の記憶に時間のベールがかかろうとする今、あの時代を際立たせた恐ろしい政策と人類に対する罪について証言できるかすかな声は、わずかに残されているだけである。日本企業はもはや、第二次大戦時の奴隷労働者から訴えられる心配はない。しかし、(被害者と)握手をし尊敬をこめて頭を下げて欲しい、と頼むのはあんまりだろうか?

私たちは、太平洋の両岸の大多数の国民が、今こそついに正しいことをするべきであるということに、同意すると信じる。生きた記憶が記録された歴史に置き換えられていくこの最後の瞬間に、人類の歴史で最も残虐な時を生きた数少ない生存者に象徴的な正義をもたらすため、私たちは団結しなければならない。


  アルフレッド・バリッツアー氏は、カリフォルニア州の政府関連PR会社Pacific Research & Strategies, Inc.の会長。エブラハム・クーパー師は、ロサンゼルスの Simon Wiesenthal Center の副所長